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エジプシャンフォークロアとは

古代から続くナイルの恵み、砂漠の風、オアシスの調べ。
エジプシャンフォークロア(Egyptian Folklore)は、そんなエジプトの大地に根差した、人々の暮らしと心を映し出す舞踊です。

一言で「フォークロア」といっても、その表情は驚くほど多彩。
農民たちの陽気なステップ、ベドウィンの神秘的なリズム、都市の女性たちの優雅な身のこなし――
それぞれの地域、民族、生活文化が、エジプシャンフォークロアの振付師の研究やデザインにより、踊りのスタイルとして昇華されています。

アラブ舞踊振付師のNabila作品は、エジプトのフォークロアマスターティーチャー、アーティストからも評価されています。

外国人がエジプト民族舞踊作品を作ることは簡単ではありませんので、本場のマスターティーチャーからサポートを受けながら舞台制作することで、国内外のショーで楽しんでいただいております。

Nabilaのエジプシャンフォークロア作品はこちら

​主要なエジプシャンフォークロア

エジプトのフォークロアは地域性が色濃く、以下のような代表的スタイルがあります。ナイル川上流(地図で南から)上へ順番に紹介します:

エジプシャンフォークロア地図

❶ヌビアン(Nubian)

アフリカの影響を色濃く受けた、陽気で生命力あふれるスタイル。
カラフルな衣装と弾むようなステップが印象的です。
エジプト南部だけでなく、国境を越えてスーダン北部のヌビア地域にも根付いています。
国や民族の枠を超えて受け継がれてきたこの踊りは、アフリカとアラブの文化が溶け合う独特のリズムと色彩を備えています。
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ヌビアンの結婚式

❷ サイーディー (Saidi) と ガワージー(Ghawazee)

ナイル上流・南部エジプト(ルクソール周辺)の踊り。
代表的なサイーディーダンスは、アサヤと呼ばれるスティックを使い、タハティーブの技や、馬のステップなどを取り入れて踊ります。軽快な動きが特徴で、誇らしい男性的な力強さと、女性のしなやかさが共存します。男性スタイルと女性スタイルでは、踊り方が異なります。

ガワージーは、古くからの旅芸人女性たちの踊り。サイーディー地方以外のスタイルもありますが、多くはサイーディー地方のスタイルで踊られています。
ヒップワークが豊かでリズミカル。強い個性と即興性にあふれています。サガット(フィンガーシンバル)を鳴らして踊るスタイルがよく見られます。
タハティーブ
Khaleiya Mazin ガゼイヤ

❸ ハガーラ(Haggala)

西部砂漠地域や遊牧民の文化から来るスタイル。腰の動き、躍動感、太鼓の打ち込みやパーカッションの重みを感じるリズム感が特徴で、自然素材、土の色、砂漠を思わせるテクスチャーやアクセサリーが使われることもあります。比較的シンプルなものが多いが、動きに合わせて揺れる布が使われます。
ハッサンサベルのベドウィンダンス

④ ファッラヒー(Fallahy)

エジプトの農村地帯で踊られてきた、農民たちの生活や喜びを表現したフォークロア・スタイルです。地図の④以外の地域もあり、それぞれの田舎のスタイルがあります。
「ファッラーヒー」とはアラビア語で「農夫」「農民」という意味があり、その名の通り、大地とともに生きる人々の自然な動きや感情が踊りに表れています。頭の上に、壺や籠を乗せて、飲食を運ぶ様子を舞台でも再現することが見られます。
Saidi Fallahy
ファイユームのFallahy
水瓶

❺イスカンダラーニ/エスカンダレイヤ(Iskandarani/Eskandaraya)

主にエジプトのアレクサンドリア(Iskandariya)地域で発展したスタイル。海辺の港町・地中海文化とフォークロアのミックス感が感じられます。アレクサンドリアは文化の交差点。さまざまな民族、貿易、音楽の影響を受け、その影響が踊りにも現れています。フォークロアとより都会的・港湾的な要素の混ざり合いが特徴。女性は、黒いミラーヤレフという布を身に纏って踊ります。
イスカンダラーニ
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❻マンブーティー/バンブーティー(Manbouty/Bambouty)

エジプト北東部・スエズ運河沿いの港町「ポートサイド(Port Said)」や「イスマレイヤ(Ismaleiya)」の地域で育まれた、海とともに生きる人々の踊りです。

この踊りは、地中海と紅海を結ぶ交易の要所であるこの地で、さまざまな文化が交わる中で自然と生まれました。港町の開放感、労働の誇り、そして人々の連帯感がそのまま踊りに表れています。

この地域の音楽で欠かせないのが、セムセメイヤ(Semsemeya)という弦楽器です。
セムセメイヤは、ウードやギターのような撥弦楽器で、カラカラとした独特の音色があり、港町らしいリズム感と陽気さを生み出します。

​スプーン、トライアングル、コップを楽器のように使って音楽を奏でる様子から、舞台では、スプーンを使って踊ることがしばしばあります。

*漁師の踊りではありません

マンブーティー
El Tanboula
Port Said

 

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